Google Cloud 導入事例:
株式会社セブン-イレブン・ジャパン 様
店舗従業員の負荷削減のため 検品業務の省力化を実現
~ Google Cloud の持つ フルマネージドサービスを活用して システムを構築 ~
- 2023/04/24
株式会社セブン-イレブン・ジャパン 様(以下「セブン-イレブン・ジャパン」、敬称略)は、加盟店の業務負荷を削減するための 効率化や省人化を進めています。その 一環である 店舗検品省力化は 一部商品向けの導入がすでに完了し、今後 さらに適用商品を広げていく予定です。新たなシステム開発に当たっては 適用商品や店舗拡大に柔軟に対応できるよう、その基盤に Google Cloud を採用しました。
この取り組みについて、共同でシステムを開発した 株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)の担当者を交え、お話を伺いました。
- 写真左から、セブン-イレブン・ジャパンの 小野寺 隆 氏、長澤 秀華 氏。
導入の背景・経緯
タイムリーに データ活用できる基盤として Google Cloud を選択
人手不足のなか、加盟店の業務負荷を削減することが セブン-イレブン・ジャパンの重要な課題となっています。そのための施策として導入した 店舗検品省力化とは、商品一つ一つのバーコードをスキャンして検品していた 従来の方法を改め、サプライチェーンのデータを利活用し 検品することで、大幅な省力化を図ろうというものです。データを活用することで 正確性を担保し、弁当・総菜などの フレッシュフードを対象に 2019年からスタートした取り組みも、店舗での作業時間を大幅に圧縮することに成功しました。
この効果を踏まえ、2023年の春からは 常温商品や 冷凍商品などにも 対象を拡大することになりましたが、開発に当たっては システム基盤に Google Cloud を採用することにしました。その狙いについて、セブン-イレブン・ジャパン システム本部 管理システム部の 長澤 秀華 氏は、次のように語ります。
「従来の検品の仕組みとは異なり、今回の新たな仕組みは 仕分けデータを活用して タイムリーに店舗で検品できることが 最大のポイントでした。実現に当たっては、幅広いサービスを持ち、高いパフォーマンスとセキュリティを兼ね備えた Google Cloud を選定し、Google Cloud の マネージドサービスを フル活用して システムを構築しています。将来的には この考え方を さらに大きく活用したいという夢も持っています。すでに Google Cloud 上に『セブンセントラル』という リアルタイムデータ利活用基盤連携を目的とした オープンなシステム基盤を構築していたこともあり、Google Cloud が最適な選択肢と考えました」
- セブン-イレブン・ジャパンの 長澤 秀華 氏。
導入の概要・ポイント
将来のサービスや データ利活用の拡大を見据えた システム設計
今回の仕組みは、センターの仕分けデータを活用して タイムリーに店舗での検品に利用することが 最大のポイントです。そのためには、物流側と店舗側との出荷データ連携を リアルタイムに行う必要があります。これを実現するために バッチ処理的なデータ連携ではなく、API を活用した データ連携をすることにしました。将来のサービスやデータ利活用の拡大を見据え、複数の API を総合的に管理できる Apigee X を活用し、アプリケーションは Google Kubernetes Engine 上での構築とするなど、今後を見据えた 拡張性の高い設計としています。
本システムは 24時間365日のサービス提供を必要とされるため、クラウド化に当たっては 極めて高度な安定性が求められます。これについて NRIの 高田 直人 は、次のように話します。「可用性の確保については、Google Cloud が持つ Cloud Spanner が解決してくれました。Cloud Spanner 自身が持つ 高い可用性に加えて、特定リージョンで問題が発生したときには 他リージョンから即座にデータアクセスが可能であるため、データ欠損がありません。重要データを取り扱い、継続したサービスの提供が求められる場合の 最適解であると考えています」
- NRIの 高田 直人。
高い可用性にとどまらない Google Cloud の利点を挙げるのは、NRIの 原田 敏樹 です。「今回のプロジェクトは開始から 約6カ月でリリースまで こぎ着けましたが、オンプレミスなら 少なくとも 1年以上は かかっていたと思います。Google Cloud から 様々なサポートも受けることができましたし、インフラを気にせず開発に集中できることが 開発期間の短縮につながった要因だと思います」
さらに、API リリースを自動化するなど アジリティを高める工夫もしています。従来は SE が人手でリリースを行っていましたが、Google Kubernetes Engine の ローリングアップデート機能などを活用することで、承認後は自動的にリリースまで完結する仕組みを構築することができました。
- NRIの 原田 敏樹。
導入の効果、今後の展望
次世代のサプライチェーンを支える仕組みを構築するため、
集約した大規模データを活用
2023年2月から 北海道の 一部先行テスト店舗を対象に始まった 店舗検品省力化のフレッシュフード以外への適用は、順次全国の店舗に展開していく予定です。フレッシュフードの検品には 専用端末が必要で、システム改修が必要なときは プログラム改修と 専用端末への配信といった対応が欠かせませんでしたが、Google Cloud を活用することで アプリケーションとハードウェアを疎結合にできたため、システム改修のアジリティも高まりました。現在はオンプレミスで構築している フレッシュフード部分のシステムも、今後は Google Cloud へ移管する計画です。これにより、セブン-イレブン・ジャパンの物流上のデータが Google Cloud に集約されることになります。
セブン-イレブン・ジャパン システム本部 管理システム部 マネジャーの 小野寺 隆 氏は、これら大規模データの活用を さらに進めることを考えています。「私たちは 製造・配送・販売という 三位一体の サプライチェーンを司る部門です。今後も お取引先様の業務課題に対し、IT 技術を用いて 解決を図ってまいります。今回、これまで取得できていなかった データを組み合わせることで 店舗の業務改善を図るという 一つの成功事例を持つことができました。サプライチェーンには 他にも活用しきれていないデータが まだたくさんあります。それらを Google Cloud に集約し 利活用することで、次世代のサプライチェーンを支える仕組みを整備していきたいと考えています。また、NRI様は 創業当初から セブン-イレブン システムの構築に 尽力いただき、サプライチェーンを良く理解していただいております。今後も 次世代のサプライチェーン構築に向けて 一緒に取り組んでまいりたいと考えています」
- セブン-イレブン・ジャパンの 小野寺 隆 氏。
最後に、NRIの 牧野 知明 が 今後への意気込みを語ります。「セブン-イレブン・ジャパン様の サプライチェーンは全国に拡がっており、全体像を俯瞰しづらい部分がありました。それは 物流に関する情報が 各物流拠点に存在しているためです。今後は Google Cloud 上に それらのデータを集めることで 即座に対応をとるための判断情報を得たり、長期的な物流に対する最適化を検討するなどの利活用を進め、セブン-イレブン・ジャパン様の サプライチェーンの維持・拡大を さらに支援させていただきたいと考えています」
- NRIの 牧野 知明。
- 写真左から、NRIの 高田 直人、セブン-イレブン・ジャパンの 小野寺 隆 氏、長澤 秀華 氏、NRIの 原田 敏樹、牧野 知明。
企業紹介
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
国内に 約21,000店舗を展開する セブン-イレブンの、フランチャイズ本部。品質の良い オリジナルフレッシュフードや、プライベートブランド「セブンプレミアム」等、幅広い商品・サービスを提供し、加盟店オーナー様への店舗経営サポートとともに、お客様の豊かな暮らしの実現を目指しています。
・株式会社セブン-イレブン・ジャパン ホームページ ※外部サイトへ
事例に関連する Google Cloud のプロダクト
Apigee
Apigee は、API の開発と管理を行うための プラットフォームです。あらゆるユースケース、環境、スケールに対応する API を 構築・管理・保護します。プロキシレイヤを サービスのフロントにして、Apigee は バックエンド サービス API の抽象化、または ファサードを提供し、セキュリティ、レート制限、割り当て、アナリティクスなどの機能を提供します。
・Google Cloud / Apigee ※外部サイトへ
・Google Cloud / Apigee のドキュメント / Apigee について ※外部サイトへ
・Google Cloud Blog / Apigee X - Google Cloud's More Powerful API Management Platform ※外部サイトへ
Cloud Spanner
無制限の スケーリング、強整合性、最大 99.999% の可用性を備えた フルマネージド リレーショナル データベースです。スキーマ、SQL クエリ、ACID トランザクションなど、リレーショナル データベースに求められる機能はすべて実証済みであり、グローバルなスケーリングが可能です。
・Google Cloud / Cloud Spanner ※外部サイトへ
・Google Cloud / リレーショナル データベース(RDBMS)とは ※外部サイトへ
Google Kubernetes Engine (GKE)
Google Kubernetes Engine (GKE)は、最もスケーラブルで 完全に自動化された Kubernetes サービスです。コンテナを Autopilot で実行すれば、ノードや容量の管理が不要になり、クラスタ費用を削減できます。クラスタ オペレーションの専門知識も ほとんど必要ありません。
・Google Cloud / Google Kubernetes Engine (GKE) ※外部サイトへ
・Google Cloud / GKE のドキュメント / Google Kubernetes Engine (GKE)の概要 ※外部サイトへ
NRIにおける クラウドの取り組み
atlax for Google Cloud
野村総合研究所(NRI)の「atlax for Google Cloud」では、DX に関する コンサルティング、および Google Cloud 導入の検討支援から システムの設計・構築・運用まで、一括でご支援します。
■ 主なサービスメニュー
- Cloud Modernization … Google Cloud の先進技術を活用した IT 基盤サービス
- Application Modernization … DevOps を実現するための インテグレーションサービス
- Data Driven / Marketing Analytics … ビッグデータ技術を活用した データ分析・マーケティングソリューション
- Digital Workplace … 次世代コンタクトセンター、新しいコラボレーションの実現
・atlax / クラウドの取り組み / atlax for Google Cloud ※カテゴリーTOPページ
・atlax for Google Cloud / 主なサービスメニュー
Google Cloud 導入事例
・atlax / Google Cloud 導入事例: 株式会社リクルート 様 - データ加工・蓄積システムを Google Cloud 上に再構築し、データ分析のコスト削減とアジリティ向上を実現 -
関連リンク・トピックス
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お問い合わせ
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