Google Cloud 導入事例

株式会社セブン-イレブン・ジャパン 様

店舗の「すぐに答えられない」を解消する

~ セブン-イレブン・ジャパンの AI 情報検索の 取り組み ~

2026/03/02

店舗での接客は、限られた時間の中で 即座の対応が求められます。一方で、商品数の多さや 入れ替わりの速さ、問い合わせ内容の曖昧さなどにより、「すぐに答えられない」場面が生まれやすいのも現実です。株式会社セブン-イレブン・ジャパン様(以下「セブン-イレブン・ジャパン」、敬称略)では、こうした店舗現場の課題に向き合い、AI を活用した 情報検索の仕組みづくりに取り組んできました。

この取り組みについて、共同で システムを開発した 株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)の担当者を交え、お話を伺いました。


写真左から、NRI の 原田 敏樹・山本 雄大、セブン-イレブン・ジャパンの 槇本 敏夫 氏・森川 弘康 氏、 NRI の 中澤 啓介 - Google Cloud 導入事例

- 写真左から、NRI の 原田 敏樹・山本 雄大、セブン-イレブン・ジャパンの 槇本 敏夫 氏・森川 弘康 氏、 NRI の 中澤 啓介。



導入の背景・経緯

問い合わせ対応を巡る 店舗現場の課題

セブン-イレブン・ジャパンでは、次世代店舗システムの構築を進める中で、既存の店舗業務を前提に、それを支える システムの あり方を見直してきました。発注や在庫管理といった基幹業務に加え、日々の接客対応を含めた オペレーションを、限られた時間の中でも 安定して回せる状態にすることが 求められていたためです。

そうした検討の過程で、店舗や加盟店から多く寄せられていたのが、「お客様からの問い合わせに、すぐに答えられない」という声でした。コンビニエンスストアでは、来店から会計までの時間が短く、接客にかけられる時間は限られています。その中で、商品や キャンペーンについて質問を受けても、必要な情報に すぐ たどり着けず、対応に迷ってしまう場面が 少なくありませんでした。

背景には、店舗で取り扱う商品数の多さと 入れ替わりの速さがあります。常時 3,000点以上の商品を扱い、季節商品や期間限定商品も 頻繁に入れ替わる中で、すべてを把握することは 容易ではありません。特に、お客様からの問い合わせは、正式な商品名ではなく、曖昧な言葉や文脈を含むことも多く、従来の検索の仕組みでは 対応が難しい ケースがありました。

また、商品カテゴリの階層構造を理解していることを前提とした検索は、経験や習熟度によって 使いこなしやすさに差が出やすいという 側面もありました。こうした課題について、セブン-イレブン・ジャパンの 槇本 敏夫 氏は 次のように振り返ります。「現場の努力や経験で 何とかする話ではないと 感じていました。業務として即答が求められている以上、仕組みの側で支えなければ 限界があると考えたのが 出発点です」


セブン-イレブン・ジャパンの 槇本 敏夫 氏 - Google Cloud 導入事例: 株式会社セブン-イレブン・ジャパン 様

- セブン-イレブン・ジャパンの 槇本 敏夫 氏。



導入の概要・ポイント

現場業務に フィットする 検索の仕組みを導入

こうした店舗現場の課題に対し、セブン-イレブン・ジャパンと NRI が 重視したのは、「曖昧な問いからでも 必要な情報に たどり着ける」仕組みを、日々の業務の中で 無理なく使える形で 実装することでした。限られた時間で接客を行う店舗では、正確な キーワードを入力できるかどうかよりも、自然な言葉で探せることのほうが 重要だと考えたためです。

そこで 本取り組みでは、NRI が保有してきた 意味的検索エンジンを活用し、キーワードの 一致だけでなく、入力された文章の文脈や意図を捉える検索を採用しました。商品名が曖昧な場合や 表現が統一されていない場合であっても、目的に近い情報へ導ける点が特徴です。導入にあたっては、同社特有の商品構成や表現を踏まえ、現場での利用を想定しながら 調整を重ねていきました。

その上で重視したのが、こうした検索機能を、次世代店舗システムの中で 安定して利用できる形に整えることでした。意味的検索の仕組みを現場で使えるものにするためには、検索の ロジックだけでなく、業務システムとの接続や運用を含めた設計が欠かせなかったためです。

この点について、NRI の 中澤 啓介 は 次のように話します。「今回の ポイントは、検索エンジンそのものを作り込むことではなく、システム環境の中で、いかに無理なく動かし続けられる形にするかでした。そこで、検索エンジンの周辺に、実行環境の違いを吸収する ラッパー機能を設け、店舗システムとの間での連携方法を整理しました。検索エンジンの内部構造には手を入れず、店舗システム側の 非機能要件を満たせる形で 使えるようにすることを 意識しました」


株式会社野村総合研究所(NRI)の 中澤 啓介 - Google Cloud 導入事例: 株式会社セブン-イレブン・ジャパン 様

- 株式会社野村総合研究所(NRI)の 中澤 啓介。


併せて、インフラ面では 性能と コストの バランスにも配慮しています。AI の 学習モデル生成には GPU を活用していますが、必要な タイミングに限定して リソースを確保する設計とすることで、コストを抑えつつ性能を維持しています。この点について、インフラを担当した NRI の 原田 敏樹 は、「Google Kubernetes Engine (GKE)の オートスケーラーにより、GPU リソースを 必要な場面に絞って確保することで、コストを抑えながら 実用性を維持することができました」と説明します。


株式会社野村総合研究所(NRI)の 原田 敏樹 - Google Cloud 導入事例: 株式会社セブン-イレブン・ジャパン 様

- 株式会社野村総合研究所(NRI)の 原田 敏樹。


一方、アプリケーション面では、接客中の利用を前提に レスポンス速度を最重要要件の 一つとして位置付けました。NRI の 山本 雄大 は、「検索してから結果が表示されるまでに 数秒 待たせるわけにはいきません。設計段階から性能を意識した構成とし、頻繁に検索される ワードについては Apigee X 上の キャッシュを利用するなど、アプリケーション側でも 徹底的な チューニングを行いました」と話します。これらの取り組みに対して、槇本 氏からも「かなり速い」といった評価が寄せられています。


株式会社野村総合研究所(NRI)の 山本 雄大 - Google Cloud 導入事例: 株式会社セブン-イレブン・ジャパン 様

- 株式会社野村総合研究所(NRI)の 山本 雄大。



導入の効果、今後の展望

利用の広がりと、次に見据える展開

AI 情報検索は、現在、全国 約 11,000店舗(2026年1月末時点)で 利用されており、1日あたりの検索回数は およそ 10,000回です。平均すると、1店舗につき 1日 1回の 検索が行われており、日常業務の中で 自然に使われるようになってきました。こうした利用実績は BigQuery に集積され、検索状況の モニタリングや モデル評価、精度向上に継続的に活用されています。

検索内容を見ると、正式な商品名だけでなく、「金の」「テレビで見た商品」といった断片的な言葉や、話題性の高い キャラクター名など、曖昧な表現が多く含まれています。こうした言葉からでも情報に たどり着けるようになったことで、店舗では「分からなければ検索する」という行動が定着しつつあります。即答できるかどうかに迷う場面でも、まず調べられるという安心感が、現場の対応を支えています。

また、従業員の経験や習熟度による影響が小さくなり、問い合わせ対応の ばらつきも抑えられ始めています。こうした変化について、森川 弘康 氏 は 次のように語ります。「これまでは、分からないことがあると、どうしても経験のある人に頼る場面が多くありました。検索を使えば 一定の答えに たどり着けるようになり、対応が特定の人に偏りにくくなってきていると感じています」

さらに、問い合わせ対応に とどまらず、検索結果をもとに 品揃えの ヒントを得るなど、当初 想定していなかった使われ方も見られています。AI 情報検索が、現場の中で自発的に活用され始めていることが うかがえます。

セブン-イレブン・ジャパンでは、今回 導入した AI 情報検索を 完成形とは捉えていません。実際の使われ方を踏まえながら改善を重ね、店舗業務の中で 自然に使われ続ける仕組みへと 進化させていく考えです。AI 情報検索は、次の AI 活用へと つながる入口として、段階的に役割を広げていくことが期待されています。


セブン-イレブン・ジャパンの 森川 弘康 氏 - Google Cloud 導入事例: 株式会社セブン-イレブン・ジャパン 様

- セブン-イレブン・ジャパンの 森川 弘康 氏。



企業紹介

株式会社セブン-イレブン・ジャパン

国内に 21,883店舗(2026年1月末現在)を展開する セブン-イレブンの、フランチャイズ本部。品質の良い オリジナルフレッシュフードや、プライベートブランド「セブンプレミアム」等、幅広い商品・サービスを提供し、加盟店オーナー様への店舗経営サポートとともに、お客様の豊かな暮らしの実現を目指しています。

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