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  • セッション C-3:
    DX 時代を歩んでいくために
    今だからこそ実施すべき運用高度化

    ~ atlax Forum 2021 Online - 開催レポート ~

    - 2022/01/24



[登壇者] 株式会社野村総合研究所 クラウド・運用デジタル開発部 山崎 彰太

DX 時代、サービスは IT システムに支えられており、重要性が増すばかり――。IT システム障害はサービスの停止に影響し、企業の死活問題にもつながりかねません。また、IT 人材不足も加速している中、システム運用でも高度な知識が必要となりつつあります。システム運用の現場では、人材育成や属人化の問題が進み、多くの企業が不安を抱えています。

2021年12月8日、株式会社野村総合研究所(NRI)が開催した atlax Forum 2021 Online「トラック C: クラウド・セキュリティ・運用」の セッション「C-3: DX 時代を歩んでいくために、今だからこそ実施すべき運用高度化」では、AIOps(AI 活用型運用)を専門とする 山崎 彰太が、それらの課題に対して実施すべき「運用高度化」について、具体的にご説明しました。

セッション「C-3: DX 時代を歩んでいくために、今だからこそ実施すべき運用高度化」の様子。

- セッション「C-3: DX 時代を歩んでいくために、今だからこそ実施すべき運用高度化」の様子。



複雑なシステムを適切に管理する 2つの決め手

先に触れた重要課題を解消する運用高度化において、成功の決め手は「オブザーバビリティ(可観測性)」と「障害対応の着実性」の 2つであると示します。

Point 1: オブザーバビリティ

複数のサービスを組み合わせ構成したシステムでは、全てのサービス間の依存関係を把握することが困難。オブザーバビリティツール・サービスにより、ログ・メトリクス・トレースの 3種類のデータを可視化し、システムで何が起こっているかを常に把握できることが重要。

Point 2: 障害対応の着実性

有識者に依存せず、着実に障害対応できる状態にあることが重要。そのためには、「有識者が持つ暗黙知をナレッジ化・共有」「誰もが利用すべきナレッジの判断ができる状態にすること(障害対応プロセスのデジタル化)」の 2点に取り組むべき。


複雑なシステムをより適切に管理していくためには、オブザーバビリティ(可観測性)を高め、システム内部で発生している事象を素早く把握することが不可欠です。また、障害対応プロセスを規定することで、全ての障害対応結果を同じ尺度で分析することが可能となり、その後の 継続的改善・PDCA を効率的に推進できます。結果として、「システムのダウンタイムの極小化」と「障害対応品質の均質化」を実現することができます。

※ PDCA サイクル(Plan-Do-Check-Act cycle):Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させることで、マネジメントの品質を高めるための概念。



属人化解消に向けた NRIの取り組み「ZeroOps(ゼロオプス)」

「属人化をゼロにしたい」という思いを込め、インシデント対応業務を包括的にサポートするサービス「ZeroOps(ゼロオプス)」を開発しました。「ナレッジ利用型インシデント対応プロセス」をベースに、
インシデント対応業務の継続的改善を実現するサービスです。初回の障害対応は有識者が実施・解決するとしても、2回目以降に関しては、他の人でも対応可能な状態にしていきます。ビギナーの即戦力化までを実現できれば、貴重な人的リソースの柔軟な配分が可能となります。また、分析により発生頻度の高い障害に関しては「自動化」していくことで、より省力化を目指します。

過去に発生した障害とその対応手順をナレッジ化し、IT人材不足や働き方改革へのニーズに応える ZeroOps

- 過去に発生した障害とその対応手順をナレッジ化し、IT 人材不足や 働き方改革へのニーズに応える「ZeroOps」


PDCA の要は、障害対応を「診断」と「対応」に分割して考えることにあります。診断や対応の有効性を評価するためには、何をどのくらい実施したかの適切な分析が肝要です。さらに、ナレッジが様々なケースで繰り返し利活用されるように、手順の「再利用性」も欠かせません。ZeroOps は、それらの点に考慮した設計に加えて、「ナレッジのレコメンド機能」「手順書のチェック・再鑑機能」といったオペレーションミス防止につながるサポート機能も装備。障害対応者の熟練度に関わらず、誰もが迷わずに利用すべきナレッジが判別可能となり、属人化排除を期待できます。また、自動化のスキームを標準で組み込むことで、自動化のハードルを引き下げ、自動化へのスピードを加速させています。

これまでの障害対応では、利用するツールやプロセスは規定されておらず、一部の有識者に依存していました。結果として、ノウハウの断片化や技術の属人化が助長されてきました。ZeroOps では、そういった課題を解決し、優秀な IT 人材を「攻めの IT 領域」に投入できるようになることを目指して、「運用高度化」を推進してきました。

「運用高度化に、銀の弾丸はありません。『継続的改善』を前提に、実施できるところから運用高度化に取り組んでいくことが良いのではないか」と、今後のシステム運用の道程を示し、セッションを締めくくりました。



関連リンク

・atlax / ソリューション・サービス / AI 活用型運用

・atlax / NRIのエキスパート / 山崎 彰太 - AI 活用型運用

・NRI JOURNAL / システム運用の高度化にむけた取り組み - 属人性の Zero 化を目的に、新たな運用機能やプロセスの整備を実施し、「ZeroOps(ゼロオプス)」を構築 - ※NRIサイトへ



開催概要

atlax Forum 2021 Online について

[イベントタイトル] atlax Forum 2021 Online
[開催日時] 2021年12月8日(水) 13:00 ~ 16:30
[開催形式] オンライン配信
[参加費] 無料(事前登録制)
[主催] 株式会社野村総合研究所


・atlax Forum 2021 Online 開催レポート TOP(計11セッションの概要)「Opening Session」「Track A: テクノロジートレンド」「Track B: ワークスタイル変革」「Track C: クラウド・セキュリティ・運用」

・atlax Forum 2021 Online - お客様の「DX」を実現する NRIの取り組み - ※フォーラム特設ページへ


Track C: クラウド・セキュリティ・運用

・atlax Forum 2021 Online 開催レポート「Track C: クラウド・セキュリティ・運用」 - 変革を支え、時代とビジネスを生き抜くためのセキュアなシステム -

・atlax Forum 2021 Online 開催レポート(Track C)「C-1: 変革を成功に導くクラウド活用」

・atlax Forum 2021 Online 開催レポート(Track C)「C-2: DX や 新しい働き方に貢献する ゼロトラスト」

・atlax Forum 2021 Online 開催レポート(Track C)「C-3: DX 時代を歩んでいくために、今だからこそ実施すべき運用高度化」



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atlaxでは、本セッションでご紹介した「AI 活用型運用」「ZeroOps(ゼロオプス)」をはじめ、ソリューション・サービス全般に関するご相談やお問い合わせを承っております。


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