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  • AWS GameDay Online - APN杯 vol.2 - に参加&受賞しました

    - 2021/10/27

    新井 雅也 - 2021 APN Ambassador, 2021 APN All AWS Certifications Engineer



2021年9月15日に開催された AWS 主催の「AWS GameDay Online ~ APN杯 vol.2 ~」で、NRIのチーム「Arumon」が「Lords and Ladies of Questivus Award(最多クエストクリア)」を受賞し、全40チーム中 3位にランクインしました。

本ブログでは、AWS GameDay の参加レポートをご紹介したいと思います。



AWS GameDay とは

AWS GameDay は、AWS イベント運営側から提供される課題(クエスト)に対して、チームメンバーで考えながら手順なしでシステムを構築し、さらに障害(カオス)に対処してシステムを安定稼働させる、ゲーム形式の DevOps コンテストです。チームビルディングや、AWS(Amazon Web Services)の実践力の腕試し、障害対応能力向上など、様々な目的で参加可能な、AWS re:Invent でも大人気のイベントです。今回の「AWS GameDay Online ~ APN杯 vol.2 ~」は、AWS re:Invent 2020 で 新しく作成されたシナリオを題材に、APN パートナー向けに企画されたイベントです。

APN パートナーの中から、40チーム 160名のエンジニアが参加しました。野村総合研究所(NRI)からは、4チーム 16名が参加しました。

・AWS JAPAN APN ブログ / AWS Partner様向け AWS GameDay Online ~ APN杯 vol.2 ~ ※外部サイトへ

※ APN:AWS Partner Network(AWS パートナーネットワーク)の略称。アマゾン ウェブ サービス(AWS)を活用して 顧客向けのソリューションとサービスを構築しているパートナーの グローバルなコミュニティのこと。



メンバー紹介

今回は「Arumon」チームとして、新井 雅也、馬勝 淳史、高橋 宏圭、山口 渡 の 4名で参加しました。この 4名は、NRIの組織横断コミュニティである「Arumon」で出会ったメンバーです。

「Arumon」は、モノづくりを楽しむエンジニア気質の社員が組織の壁を越えて交流するために生まれたコミュニティで、AWS のようなクラウド技術が好きなメンバーや、バックエンドシステム開発、モバイルアプリケーション開発を得意とするメンバーなど、多彩なバックボーンやスキルを持ったメンバーが所属しています。

・Arumon - NRI発 若手中心スタートアップコミュニティ ※外部サイトへ

コミュニティメンバーのほとんどは、仕事上の接点が無いメンバーですが、思い思いにシェアオフィスで集まり、社会や会社に貢献しようと日々様々な活動に取り組んでいます。

このコミュニティの中で、AWS でモノを作り上げていくことが好きなメンバーに呼びかけ、意気投合して結成されたチーム、それがこの「Arumon」チームでした。


メンバーの経歴

新井 雅也:
AWS 経験は 4年程度。初めて AWS に触れたのは まだ学生時代である 2010年頃だが、しばらくクラウド技術に触れること無く 2017年に業務で AWS と再会。コンテナ系サービス(Amazon ECS, AWS Fargate)や、セキュリティ系サービス(AWS Security Hub, Amazon GuardDuty など)を利用した アーキテクチャ設計が得意。2021 APN Ambassador。

馬勝 淳史:
AWS 経験は 5年程度。金融機関向け Alexa 開発を含め、幅広い AWS 案件に従事。好きな AWS のサービスは「Code シリーズ」と「AWS Lambda」。2021 APN AWS Top Engineer。

高橋 宏圭:
AWS 経験は 9年程度。入社直後の 2012年に AWS の活用方法調査で 初めて AWS に触れ、そのサービスの素晴らしさに衝撃を受けてから 様々な案件で AWS の活用を続け、今に至る。好きな AWS のサービスは「AWS Lambda」をはじめとする Serverless 関連のサービス全般。

山口 渡:
AWS 経験は 3年程度。初めて AWS に触れたのは 2017年。普段は金融業界のお客さま向けのシステム開発に従事。好きな Tech イベントは ISUCON で、社内 ISUCON の企画運営を手掛ける。AWS 認定 ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル。



事前準備

詳細な競技内容については、残念ながらお伝えすることができないのですが、昨年の AWS GameDay と比較すると、よりゲーム性が増し、AWS の知識に加えゲーム攻略の戦術も要求される内容となっていました。そのため、ルール自体が複雑であるということや、クエストで出題される AWS サービスのスキルも多岐に渡ることが予想されました。

そこで、Arumon チームでは、AWS GameDay 攻略の事前準備として、以下の 4つに対して重点的に取り組みを行いました。

- ゲームの趣旨やルールの理解と メンバー間での認識合わせ
- 当日の役割分担と 戦略の決定
- 出題が予想される 各 AWS サービスの予習
- 外形監視のスクリプトの準備 … 障害(カオス)に迅速に気付いて対処するための仕組み作り

出題が予想される AWS サービスとして、「AWS IoT Core」「Amazon Managed Blockchain」、「AWS App2Container(A2C)」「Amazon Elastic Kubernetes Service(Amazon EKS)」など、メンバーが日々の業務では接する機会のないサービスも多数ありました。そのため、今回は「サーバレス クエスト担当」や「コンテナ クエスト担当」などの おおまかな役割を決め、各メンバーが オンライン ドキュメントを確認したり、各自でハンズオン(体験学習)を積極的に実施するなどして、スキルアップを目指しました。

競技終了後にチームメンバーと少し内容を振り返ってみたのですが、この事前準備が功を奏し、今回の受賞につながったと思っています。

※ AWS IoT Core:サーバーを プロビジョニング または 管理する必要なく、IoT デバイスを AWS クラウドに接続することができる AWS のサービス。
※ Amazon Managed Blockchain:数回クリックするだけでパブリックネットワークに参加したり、スケーラブルなプライベートネットワークをセットアップおよび管理したりできるフルマネージドサービス。スケーラブルなブロックチェーンネットワークを簡単に作成し管理することが可能。
※ AWS App2Container(A2C):.NET および Java アプリケーションをコンテナ化されたアプリケーションにモダナイズするためのコマンドラインツール。
※ Amazon Elastic Kubernetes Service(Amazon EKS):クラウド または オンプレミスで Kubernetes アプリケーションを実行、スケールするマネージドコンテナサービス。



AWS GameDay 当日

当日は、万全のコロナ対策のもと、チームメンバー全員がシェアオフィスに集結し、AWS GameDay に挑みました。タイムテーブルは 以下の通りです。

[タイムテーブル]
- 12:00 ~ 13:30 … ルール説明
- 13:30 ~ 17:15 … AWS GameDay
- 17:15 ~ 17:30 … 休憩
- 17:30 ~ 18:00 … 結果発表

競技対象として出題されたクエストはすべて英語であり、かつ内容も抽象的な要件が多く、どのクエストも想定より難しく感じました。競技前半は求められていることの意図を汲み取ったり、試行錯誤することに時間が取られ、なかなかエンジンがかからない状態でした。しかし、ラスト 1時間で各メンバーが本領を発揮し、多数のクエストをクリアすることができました。

結果、40チーム中 3位に入賞、さらに、最も多くのクエストをクリアしたチームに送られる「Lords and Ladies of Questivus Award」を受賞しました。多くの賞がある中で、一番技術的な賞を頂けたことは、技術力の面で大きな自信となりました。また、日々 AWS で専門性を磨いてきたメンバーとしては大きな喜びでした。

・AWS JAPAN APN ブログ / AWS GameDay Online ~ APN杯 vol.2 ~ 結果発表! - 入賞チーム1:Team Arumon(Lords and Ladies of Questivus賞) ※外部サイトへ



メンバーの感想

新井 雅也:
AWS GameDay は 2回目の参加ですが、今回はゲーム性が強くチーム間のコミュニケーションや戦略が より重要だと感じたので、事前準備の段階から入念にディスカッションを実施しました。もともと AWS 技術が好きなメンバーが集まっていることもあり、事前準備段階から士気を高めていけたと考えています。競技中もお互いが適宜ヘルプを求めつつも、一丸となって取り組めたことが今回受賞につながったのではと感じています。そして、なによりもチームとしてモノづくりすることに対して、大いに楽しむことができました。素晴らしいイベントの企画、ありがとうございました。

馬勝 淳史:
2回目の AWS GameDay 参加であり、前回の反省を踏まえて、事前に色々な仕組みを作って臨みました。今回、出題傾向がガラッと変わったことは、良い意味で驚きでした。想定外の中でも、チーム全員がコミュニケーションを取りながら素早く順応し、クエストをクリアすることができました。このチームだったからこそ、勝ち取れた賞だったと思っています。チームメンバー、主催の AWS 様、関係各所の皆様、ありがとうございました。

高橋 宏圭:
AWS Gameday は初参加で不安もありましたが、細部にわたって作りこまれた AWS GameDay のすばらしい世界に没頭し、最後まで楽しめました。今回、事前にサーバレス関連のサービスである Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)や AWS Lambda などに習熟していたことで、それに関わるクエストを中心にクリアしていくことができました。事前準備と、メンバー同士の密なコミュニケーションが、良かった点だったと感じています。受賞できたことは、うれしい限りです。次回もまた参加したいです。関係各所の皆様、ありがとうございました。

山口 渡:
AWS GameDay は初参加でしたが、普段使ったことが無かった AWS のサービスに触れることが出来て、とても楽しめました。事前に当日の動き方や役割分担をすり合わせし、当日は迷わず動くことができたことが、勝因だと感じています。結果が残せて嬉しい限りです。関係各所の皆様、ありがとうございました。

AWS GameDay Online ~ APN杯 vol.2 ~ 当日の発表の様子

- AWS GameDay Online ~ APN杯 vol.2 ~ 当日の発表の様子

※ Amazon Simple Storage Service (Amazon S3):業界をリードするスケーラビリティ(拡張性)、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供する オブジェクトストレージサービス。データレイク、Webサイト、モバイルアプリケーション、バックアップ および 復元、アーカイブ、エンタープライズアプリケーション、IoT デバイスやビッグデータ分析などのさまざまなユースケースのデータを保存して保護することができる。
※ AWS Lambda:サーバーのプロビジョニングや管理、ワークロード対応のクラスタースケーリングロジックの作成、イベント統合の維持、ランタイムの管理を行わずにコードを実行できる サーバーレスコンピューティングサービス。



まとめ

AWS GameDay は、システム構築から運用まで 様々な AWS サービスを通して、競技形式でスキルを磨ける素晴らしいイベントです。手順がない状態で一から構築していくため、決して難易度は易しくありません。ただ、チームで協力しながらクエストクリアを目指すこともあり、競技を終えた後の高揚感や満足感は、他ではなかなか得られないイベントではないかと感じています。課題や障害に対する瞬発力も養うことができるため、日頃から AWS にてシステム構築・保守を担うエンジニアには腕試しとして楽しめる内容かと思いますので、ご興味のある方は ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

今後も、このようなイベントや コンテストを通じて、AWS の専門性を磨き、お客様のシステムを支えていきたいと考えています。



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※ Kubernetes(クバネティス、クーベネティス、K8s):デプロイやスケーリングを自動化したり、コンテナ化されたアプリケーションを管理したりするための、オープンソースのシステムのこと。現在利用されているコンテナオーケストレーションツールの中でも、多くのシェアを持つ代表的なツールとなっている。Kubernetes を用いることで、コンテナを 安全・高可用に運用することが可能。



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※ Design for Failure:予期せぬサービスの停止に備え、障害が発生してもサービスを継続できるようにシステムを設計する考え方。災害によるデータセンターの停止など、有事の際にどのようにリカバリできるのかといったことを あらかじめ考えて、可用性の高いシステムを設計・構築すること。



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