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NRIの先進テクノロジーに関する取り組み
~ メタバース空間における 企業内コミュニケーション ~
- 2022/12/14
小売・製造、金融・公共をはじめ、幅広い業界において「先進技術を活用して ビジネスモデルを変革(DX)し、お客様へ価値提供していきたい」という テクノロジー活用への期待が高まっています。一方、その期待に反して、技術変化のスピードが速く、技術キャッチアップや その活用が難しいといった悩みもお聞きします。
そのような声にお応えするため、株式会社野村総合研究所(NRI)では「潜在的な 顧客ニーズ発の技術調査」「技術動向を見据えた 先進技術の早期評価」「獲得した技術の 事業適用」に 継続的に取り組んでいます。このような活動を通して、NRIは 専門知識を用いて 企業様のビジネスとテクノロジーの架け橋となり、DX 実現まで伴走します。
このブログでは、NRIで推進している 先進的な技術獲得の取り組みについて、以下の通り 複数回に分けてご紹介していきます。
- 本シリーズブログで紹介する テクノロジー領域。
今回は、「VR ヘッドマウントディスプレイを活用した 企業内コミュニケーションの検証」に関する調査研究の成果をピックアップしています。
VR ヘッドマウントディスプレイを活用した
企業内コミュニケーションの検証
約100名の NRI社員に VR ヘッドマウントディスプレイ(VR HMD)を配布し、メタバースの検証イベントを行いました。検証イベントは、企業内のコミュニケーションのシーンとして「打ち合わせ」「交流会」「セミナー」の 3つのシーンをピックアップしました。メタバースの各シーンにおける特徴・メリットを想定し、現在どの段階まで それらが享受できる段階にあるのか、現在地を確認しました。
- 3つのシーンで 検証イベントを開催。
- NRI 横浜総合センターの オフィスを模した空間を メタバース上に構築。
ここからは、シーン別に 検証イベントの結果をご説明します。
打ち合わせ
Web会議とは異なり、下図のように メタバース空間に アバターを座らせる座席の配置ができます。これにより、話し手が 誰に向けて話をしているかが 分かるようになります。Web会議では、話者が誰に話かけているのか 判断に迷うことがありますが、メタバース空間では それがなくなります。また、会話している人以外の参加者についても可視化され、聞いている様子が可視化されるため、参加者の発言頻度は均等になる傾向があり、参加者同士で 一体感を感じながら 打ち合わせができたという結果でした。
- Meta Platforms 「Horizon Workrooms」を使用。
VR ヘッドマウントディスプレイを被った場合、一人称視点で 下図のように見えます。身振り手振りを交えての会話は、対面のような感覚が得られ、濃厚な議論につながったという声が聞かれました。また、自分も相手もアバターによる参加であるため、約40%の参加者から 精神的な疲労が軽減したという声がありました。それ以外にも、異論・反論について 約60%が Web会議よりしやすいという回答も得られました。
- Meta Platforms 「Horizon Workrooms」を使用。
交流会
メタバース空間を交流のためにカスタマイズして、検証イベントを行いました。カスタマイズにより、内装や装飾を馴染みのある空間にすることで、リラックス効果が得られることが確認できました。また、メタバース空間を移動しながら、クイズなどのアクティビティを行いました。自由に交流する時間では、背後から自分の知っている人の声が聞こえて 同僚の存在に気づき、オフィスのような偶然の出会いも確認することができました。
- メタバース空間「Spatial」を NRIが カスタマイズして使用。
現実では難しい、いつでもどこでも参加できる特徴を活かして 交流会がデザインできることは、メタバースの大きな魅力になります。検証イベントでも、地方在住社員も参加して 一体感を向上させることができました。あっという間に時間が過ぎたという声も多く、約45%が 対面、約60%が Web会議より、時間が早く過ぎたという回答が得られる結果となりました。
社員のつながり形成に十分に活用できることが分かったため、今後も継続して交流会を企画して、メタバースを活用していくことを考えています。
- メタバース空間「Spatial」を NRIが カスタマイズして使用。
セミナー
発表者は 参加者を感じて 熱を入れたプレゼンができ、参加者は 発表者や他の参加者を感じて セミナーに参加できることが確認できました。参加者は、拍手などのジェスチャーで 発表者にリアクションを示すことができることが、より高い満足度につながったことも分かりました。
- メタバース空間「Spatial」を使用。
3D コンテンツの利用は、リアルでは不可能な演出を可能とします。約90%の聴講者から、内容の理解につながったと回答があり、高い効果の確認ができました。目の前での 3D オブジェクトの拡大・縮小や 回転は、今までにない体験で好評でした。あっという間に時間が過ぎたという声も多く、約30%が 対面、約50%が Web会議より、時間が早く過ぎたという回答が得られる結果となりました。
- メタバース空間「Spatial」を使用。
まとめ
約100名の NRI社員が参加した 検証イベントを行い、メタバースの現在地を確認することができました。
VR ヘッドマウントディスプレイの 長時間利用は、身体負荷が高いという声も多く聞こえ、まだまだ課題がある状態です。一方で、リアルを超えたメリットが メタバースにあることも確認できました。NRIでは 課題を受け入れて、メリットを享受できる使い方を積極的にデザインして、今後もメタバースを活用していこうと思います。
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