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  • 量子コンピュータ分野における東北大学との
    産学共同研究についてご紹介

    - 2022/08/22

    渡辺 和泉 - 量子コンピュータ



こんにちは、NRIの 渡辺 和泉 です。

2022年5月から 株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、国立大学法人東北大学(以下「東北大学」)と共同研究契約を締結し、量子コンピュータの産業応用を目的とした共同研究をスタートしております。

この共同研究によって、量子コンピューティング技術を用いた実証実験の実績を数多く持つ東北大学とともに、NRIは量子コンピュータの活用による社会課題の解決を目指してまいります。

今回は この共同研究について 一部ご紹介させていただきます。



産業界から量子コンピューティング技術の
発展を促すために

組合せ最適化計算などへの応用が期待されている量子コンピュータは、理論上スーパーコンピュータを凌駕する存在になり得ると言われているものの、現状としてはビジネスに対して活用するにあたり 乗り越えるべき課題がいくつもあり、実用化までは時間を要する見込みです。

過去を振り返ると、理論上期待されていた技術であっても社会への活用事例を示すことができず、結果的に技術が成熟することなく研究開発が滞ってしまった例は歴史上いくつもあります。量子コンピューティング技術の研究開発を継続・促進するためには、具体的なビジネスの適用性を社会に示し続ける必要があると 私たちは考えています。

NRIでは、量子コンピュータに関する技術獲得や市場調査を行っておりますが、それらと並行して この技術が社会課題の解消に資するテーマに対して適用し得ることを示すべく、社会実装を検証する活動を進めています。



量子コンピューティング技術の検証活動における
産学共同研究の必要性

一般的に技術をビジネスに転用する際、課題の発見や整理をした上で 技術を適切に活用するというプロセスを踏みますが、その中で技術に対する深い理解が求められます。すでにビジネスに対して頻繁に活用されている技術であれば、その技術を自社で獲得する、もしくは その技術を持つ企業と手を組むことで 技術力の確保が十分可能と考えられます。

しかし、量子コンピューティング技術は研究開発段階の発展途上の技術であり、学術的な背景や理論を十分理解した上で 検証を行う必要があります。そこで、学術的な見地から専門的な指導をいただくことに大きなメリットがあると考え、この領域に対する実績が豊富な東北大学の大関研究室と共同研究契約を締結するに至りました。



共同研究講座を通じた挑戦

東北大学との共同研究の開始とともに、NRIは東北大学で設置されている産学連携講座「量子コンピューティング共同研究講座」へも参画いたしました。

・東北大学 大学院情報科学研究科 / 情報基礎科学専攻 / 量子コンピューティング共同研究講座 - Joint Research Group for Quantum Computing - ※外部サイトへ

日本国内で量子コンピューティング技術の応用に向けた研究開発の先頭を走る企業も複数参加しているこの共同研究講座の場を活用して、産学連携のみならず人材交流による産産連携などのコラボレーションができたら とても面白いと考えております。また、高いモチベーションを持った学生さんとともに お互いの学びを深め合えるような人材育成にもチャレンジしたいと思います。



さいごに

NRIは、今後も学術界と産業界の双方と密接に関わり合いながら量子コンピュータに関連する 一連の取り組みを進めることで、引き続き先進技術による社会課題の解決を目指してまいります。そして、この記事を読んでいただいている皆さまとも、是非ご一緒に量子コンピュータを使って面白いことを考えることができれば、とても嬉しいです。

ブログ記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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