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量子アルゴリズムコンテスト
QHack 2022 で 上位獲得!~ コンテスト参加者に 突撃インタビュー ~
- 2022/06/16
野村総合研究所(NRI)の 土井 健・砂長谷 健・大貫 峻平 が、2022年2月14日 ~ 25日、アマゾン ウェブ サービス(AWS)社 や カナダの 量子コンピューティング スタートアップ Xanadu 社が主催する 量子アルゴリズムコンテスト「QHack 2022」で、QHack Coding Challenge の 上位を獲得しました。
本コンテストは 量子コンピュータ業界における 世界最大級のオンラインイベントで、「QHack 2022」には グローバルで 約850チーム、3,200名以上が参加しました。過去の出題テーマは 主に「量子最適化・量子機械学習・量子化学計算」が中心でしたが、今回は「量子アルゴリズムの考案と実装」が新たな課題として出題されたうえに、問題数も増え、一層 難易度の高いコンテストとなりました。
「QHack 2022」に参加した、NRIで 量子コンピュータの調査に取り組んでいる先鋭たちに、コンテストでの様子や、量子コンピュータに対する 熱い想いを取材しました!
- 写真左から、野村総合研究所(NRI)の 土井 健・大貫 峻平・砂長谷 健
Q1: QHack Coding Challenge 上位獲得 おめでとうございます。
チームの活動内容を 教えてください。
土井: ありがとうございます! チームの活動は、2018年度から開始しました。同年、外部団体「MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)」に所属となり、次の年の 2019年度、9社合同での実証実験などを行ってきました。
技術検証の R&D(研究開発)や 本部での施策を経て、技術獲得を増やしていき、2020年以降に 僕たち 3人がチームに関わることになりました。個人での外部活動なども行い ノウハウを蓄積するなかで、今回チームとして 量子コンピュータ プログラミング コンテスト「QHack 2022」に参加し、QHack Coding Challenge の 上位獲得につながりました。
また 私自身、ハッカソンやコンテストに参加するのが好きで よく参加していたら、砂長谷さんも興味があると知り、チームで参加できるコンテストには 一緒に参加するようになり、新しくチームに加わった大貫さんも誘って、今回 コンテストに参加したという経緯があります。
- 野村総合研究所(NRI) 土井 健
Q2: QHack 2022 に 参加してみて、
大変だったことや良かったことなど 感想を教えてください。
大貫: 私は 2021年の秋から このチームに参加し、3カ月ほどで コンテストに参加しました。基本的なアルゴリズムしか知識が無いなかで、QHack に 参加しましたが、論文を読まないと解けない問題など 応用的なものばかりでした。いろんなドキュメントや技術論文を見ながら解き進めていくことは、大変でもありましたが、学びや知識が増えて、楽しさを感じることもできました。
QHack は、問題を解いたら リアルタイムで 解答結果が 全参加チームに共有され、解けた数だけ 点数が上がっていくシステムなので、自分が解いたことで 順位が上がっていく様子が見えるのは、嬉しかったです。また、先輩と 一緒にチームとして参加することで 頑張るモチベーションにも つながりました。
砂長谷: 私は、大学の講義動画なども見て、量子コンピュータの知識を深めていきました。普段、仕事をしていて 専門知識を勉強する機会は なかなか持てないですが、今回 QHack に参加し 深いところに飛び込めたことは、とても良い機会だったと感じています。
土井: QHack は、プログラミングだけでなく 研究発表のようなカテゴリもあり、量子コンピュータにまつわる様々な人向けのコンテストだったので、参加している方は 海外の方や 研究者も多かったです。研究向けの問題も多いなかで、大貫さんや 砂長谷さんと同じく、論文や講義などを見て解いていくことは大変でした。コンテストのスパンは 1週間だったので、業務終了後に 寝る間を惜しみながら 夜な夜な勉強し、問題を解いていきました。業務も忙しいなかでも、コンテストに参加して スコアが上がっていく 面白さを改めて感じ、自身の実力を試して チームを良い結果に導くことができ、挑戦し終えた後は、とても達成感がありました。
Q3: 量子コンピュータについての 新しい知見を増やしていこうと
思った きっかけや モチベーションを 教えてください。
砂長谷: 私自身、新しいことや 触れたことのないことに挑戦することが好きで、インプットとアウトプットの機会を 自ら増やしています。
土井: 私も同じく新しいことを学ぶことが好きです。新しいことに取り組む場合、様々な方法を知った上で、問題に対して 最善の方法を選び抜く能力が大事だと思っています。例えば、量子コンピュータで実現できるとされている最適化という領域では、量子ではない方法で 様々な最適化アルゴリズムが登場し続けています。その中で、視野を広げて 量子コンピュータの活用という別の方法を知り、選択肢の幅を広げることも重要だと考えています。現状に満足せず、QHack のような活動や自己研鑽など、色々な学びを通して、自身のケイパビリティを広げていくことが必要だと感じています。
砂長谷: 私も同じですね。量子コンピュータは 現在まだ黎明期で、様々な活用はされていないですが、パワフルさは理論的に証明されています。今後 ハードウェアや 技術が充実していくと、今 私たちが使用している PC や サーバを凌駕する存在になるだろうと言われています。そこに資する活動ができているということは、モチベーションにも つながっています。
- 野村総合研究所(NRI) 砂長谷 健
Q4: ご自身の中で、QHack 2022 に 参加したことでの
やりがいを お聞かせください。
大貫: QHack に参加する前から、量子コンピュータ関連の活動の中で 他社の量子コンピュータを学んでいる方や 大学の研究者と関わりができ、お話する機会がありましたが、自身で落とし込みができていない部分や 分からない部分もありました。今回 QHack に参加して、強制的にでも自身の情報をアウトプットすることで、触れることのなかった話題も学んでいこうと思えるようになりました。また、自身でも入ってくる情報が きちんと解釈できるようになり、これまで以上に理解が深まったことに やりがいを感じました。
砂長谷: 大貫さんが言ったように、QHack 参加以前にも 国内での量子コンピュータ関係者との つながりはありましたが、世界中から 約850チームが参加した QHack で、私たちが普段関わる領域以外の方たちにも関わることができ、世界レベルで 量子コンピュータ業界の熱量の高さを感じられたことが、やりがいに つながっています。
また、2021年は 約700チーム、2022年は 約850チームと、年々 QHack の参加チーム数が増加していることで、注目度が高まってきたんだなと実感ができ 勇気づけられました!
土井: そうですね。私たちが参加したのは、プログラミングコンテストでしたが、他にもアプリケーションコンテストなどもあり、量子コンピュータに携わる 研究者や 技術者が増えていることを感じますね。また、外部のイベントに参加すると NRI以外の世界を知ることができる点が、やりがいにつながっています。QHack は、世界レベルの大会ということもあり、戦っている参加者も世界で活躍している方たちばかりでした。世界で活躍している方の目線を知り、同じ目線に立てるということは、イベントに参加することで得られるものだと思います。
Q5: 将来チャレンジしたいことや、
NRIで 実現したい夢・目標などがあれば、教えてください。
- 野村総合研究所(NRI) 大貫 峻平
大貫: 今回参加した QHack も そうですが、先輩の力なくして乗り越えられなかったものだと思っていますので、「自分一人で コンテストやイベントで実績を残していけるようになること」が目標です。
業務だと、今は まだ チームリーダーからの指示をきちんとこなすということで 精一杯ですが、いずれは お客様の課題に向き合い、学んだ知見を活かして 本当に必要なことをしっかりと取捨選択し、お客様にとって最適な提案ができるようになりたいと思っています。
砂長谷: 量子コンピュータは 業務の最適化に使えるだろうと言われており、労働生産性の向上や CO2 の削減へ 量子コンピュータを活用するユースケースも 世の中では考えられています。世の中に対して、革新的な技術を提供し、業界のスタンダードを作っていければと思っています。
量子コンピュータは まだ実用レベルではないですが、産業応用例・社会実装例を 世の中に示していくということが、量子コンピュータの技術開発や研究のサイクルを促進させることにも つながると思っており、そういう部分で 私たちの活動が貢献できたら良いと思っています。
今は無いものを開発し、量子コンピュータや その他の先端技術を組み合わせることで、より良い暮らしや 社会を前進させられるよう、日々 研究や開発にチャレンジしていきたいと思っています。
土井: 量子コンピュータや 最適化、データサイエンスなどを 業務で担当していることから、コスト削減や計画業務の変革に関するご相談を受けることが多いのですが、私たちは「1%」レベルでも妥協をしません。例えば、100億円かかる 業務の 1%のコストを削減できれば 1億円が削減できますし、労働人口が 1億人いたとして、その 1%を削減できるとしたら 100万人の余剰を作ることができます。
この 1%は、選択する 最適化アルゴリズム 1つでも大きく変わるため、日々、最新動向を調査し続けています。日本の労働人口減少問題、気候変動問題など、様々な外部環境が取り巻くなかで、私たちは その 1%を突き詰めて、問題に対する解決策を提示できることが 重要だと思っています。
その場しのぎの対応を続けてしまうと 中長期的に見るとコストが増えてしまうこともあるので、私たちは 日々 学び続け、習得した技術や知見を活かし、妥協せずに突き詰め、お客様や社会にとって 本当に適切なものを提供して 社会貢献をしていくことが目標です。
Q6: atlax ブログの読者や NRIのお客様にメッセージがあれば、
最後にお願いします。
砂長谷: 量子コンピュータの技術獲得は、QHack や R&D(研究開発)でも進めていますので、ぜひ PoC(概念実証)などで、お声掛けいただければ幸いです。
大貫: 量子コンピュータを 一緒に学ぶ フェーズだとは思いますが、共同での活動も進めていければとも思っています。ぜひ 仲間になっていただけると嬉しいです!
土井: そうですね! また、私たちは 量子コンピュータに限らず「数理科学を用いた ビジネスの変革」をテーマに「Fiboat(フィボート)」という ソリューションブランドを展開しております。もし「業務を最適化したい」などのお話があれば、ぜひ NRIにお声掛けいただけますと、何かお役に立てると思いますので、よろしくお願いします。
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