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  • セッション A-2:
    量子コンピュータの動向と技術の今

    ~ atlax Forum 2021 Online - 開催レポート ~

    - 2022/04/22



[登壇者] 株式会社野村総合研究所 プラットフォームサービス開発統括部 大野 真一朗

従来型コンピュータ(古典コンピュータ)が 容易に答えを導けない複雑な計算にも、解を与えるのではないか? その可能性を背景に、近年注目されている 量子コンピュータ。その技術を最適化計算に利用し、さらに「AI の 一分野である 機械学習による予測計算と組みわせて利用することで、ビジネスの価値を最大化できる」と、NRIは 考えています。

2021年12月8日に、株式会社野村総合研究所(NRI)が開催した atlax Forum 2021 Online「Track A: テクノロジートレンド」の セッション「A-2: 量子コンピュータの動向と技術の今」では、現時点で発展途上の本分野における「技術の今」と「見通し」が、正しい認識と期待を得られるように、最新動向や技術的な限界、今後の見込みについて、量子コンピュータの産業応用に向けた調査に取り組む 大野 真一朗が解説しました。

セッション「A-2: 量子コンピュータの動向と技術の今」の様子

- セッション「A-2: 量子コンピュータの動向と技術の今」の様子。



量子コンピュータとは? どんな計算ができるの?

量子コンピュータを 分かりやすく表現するならば、「量子の『重ね合わせ・もつれ』といった 量子力学の現象を 情報処理技術に適用し、並列計算を行う計算機」。膨大な状態を 量子ビットで同時に表現し、重ね合わせで 一括計算した結果を得られ、並列計算できる強みが特徴です。一方、量子状態が壊れやすく、答えが確率的なために、複数回観測を要する方式上の課題も知られています。アルゴリズムを組んで 汎用計算を行う「量子ゲート方式」と、最適化計算を行う「量子アニーリング方式」の 2方式があり、後者による最適化が 主なユースケースとして 開発研究されています。

汎用計算が可能な「量子ゲート方式」と 組み合わせ最適化の「量子アニーリング方式」の 2つに大別

- 汎用計算が可能な「量子ゲート方式」と 組み合わせ最適化の「量子アニーリング方式」の 2つに大別。



量子コンピュータの 可能性と ユースケース

量子コンピュータを使って 日常の問題解決を図るための「最適化計算」の研究は、主に自動車業界・自動車製造業界で、EV 関連ビジネス(自動運転、EV 用充電ステーションの最適配置、交通量と移動の予測による待ち時間・移動時間や混雑の最小化)や、製造プロセスの効率化などをテーマに、2015年ごろから実施されてきました。昨今、世界のさまざまな業界を代表する企業が、社会適用を目指して、量子コンピュータの可能性に挑んでいます。

量子計算は、入力~測定の全域にわたって多くの課題を残すものの、解決に向けた対応も各所で始動

- 量子計算は、入力 ~ 測定の全域にわたって多くの課題を残すものの、解決に向けた対応も各所で始動。


今日までのあらゆる机上検証や実証実験により、入力から測定に至るまでの各プロセスにおいて、量子計算の利活用には、まだ多くの課題が残っていると指摘されます。「大規模な計算が難しい領域もあり、古典計算機との併用が望ましい」「量子ビットが小さく、ノイズ耐性も弱いため、現実的な計算は困難」などの弱点をかかえるものの、課題解決に向けた各所の取り組みは、すでに始まっています。企業は長期的なビジョンと戦略を持ちながら、量子コンピュータの現状と課題、今後の展望に関する情報をキャッチアップしていく必要があります。ビジネス導入はすぐに可能でなくとも、業務適用イメージの獲得や量子技術への先行投資といった意味で、PoC(概念実証)や 研究開発を推進する価値はあるものと、大野は見解を述べました。

量子コンピューティングを含めた、データアナリティクスの ビジネス活用・適用においては、「適用テーマの検討」「データ活用に向けたインフラの整備」、そして「機械学習や 最適化技術を使いこなす 専門能力」の 3つが不可欠で、ハードルの高さは否めません。私たちはコンサルタント、インフラエンジニア、データサイエンティストが 三位一体となって、ビジネス変革に向けたソリューションをご提供できます。量子アニーリング領域で 幅広い計算方式に対応する 量子アニーリングクラウド「Fixstars Amplify」における パートナーシップを最大限に生かした ご支援が可能です。NRIは、世の中をより良くするユースケースを検討・計画フェーズから創出し、アニーリングマシンを含めた 量子コンピューティングの社会実装に、貢献してまいります。



関連リンク

・atlax / ソリューション・サービス / AI・機械学習・量子コンピュータ

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・2021/08/31 野村総合研究所、フィックスターズと パートナー契約を締結 - 量子アニーリングクラウド「Fixstars Amplify」の応用を加速 -

・NRI / 用語解説 / 量子コンピュータ - 量子ゲート方式 と 量子アニーリング方式 - ※NRIサイトへ



開催概要

atlax Forum 2021 Online について

[イベントタイトル] atlax Forum 2021 Online
[開催日時] 2021年12月8日(水) 13:00 ~ 16:30
[開催形式] オンライン配信
[参加費] 無料(事前登録制)
[主催] 株式会社野村総合研究所


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