B-1：テレワークを越えて - ハイブリッドワークからデジタルワークへ -｜Track B：ワークスタイル変革｜atlax Forum 2021 Online 開催レポート｜atlax/アトラックス

セッション B-1：
テレワークを越えて - ハイブリッドワークからデジタルワークへ -

～ atlax Forum 2021 Online - 開催レポート～

- 2022/04/13

[登壇者]　株式会社野村総合研究所　IT基盤技術戦略室　亀津敦

新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴う出社制限やソーシャルディスタンスの必要性から、対面でのコミュニケーションは難しくなりました。従来の出社を前提としていたオフィスは「分解」し、在宅中心の働き方やサテライトオフィス、シェアオフィスの活用が普及しました。その結果、非対面・非接触のビデオコミュニケーションが、業務継続のための「生命線」となり、多くの企業で Web会議システムやチャットツールが急速に導入され、業務システムのクラウド化とテレワークが根付きました。しかし、生産性の低下や働きにくさの課題はいまだに残ります。

2021年12月8日に、株式会社野村総合研究所（NRI）が開催した atlax Forum 2021 Online「Track B：ワークスタイル変革」のセッション「B-1：テレワークを越えて - ハイブリッドワークからデジタルワークへ -」では、「コロナ禍を機に変貌したオフィスと働き方は、今後どう変わっていく見通しか？」について、IT基盤戦略アナリストの亀津敦が解説しました。

セッション「B-1：テレワークを越えて - ハイブリッドワークからデジタルワークへ -」の様子

- セッション「B-1：テレワークを越えて - ハイブリッドワークからデジタルワークへ -」の様子。

職場回帰とハイブリッドワークによる将来コンセプト

全国的にワクチン接種が進み、感染状況も比較的落ち着いてきた今日、アフターコロナを見据えたビジネスモデルや業務プロセスなどを考える段階を迎えました。企業のなかには、リモートワークの継続を前提に、オフィスの集約などに着手する動きがあります。働く人々の間にもリモートワークの継続を望む意向が多く見受けられることから、今後、職場回帰とリモートワークによる「ハイブリッドワーク」が多く採用されると予測されます。

ゆくゆくは、リモートと出社の二元論にとどまらず、働く環境とプロセスをデジタル化した「デジタルワーク」により、いっそうの生産性向上が求められます。オフィスのあり方と働き方の変化に後れず対応するためには、オフィスの存在意義を再定義し、出社したメンバーとリモートワーカーとの間にギャップを感じさせない、リアルとバーチャルの融合を図る工夫が必要です。

アフターコロナの職場復帰に向けて、出社とリモートの「ハイブリッドワーク」が新しい働き方として脚光を浴びている

- アフターコロナの職場復帰に向けて、出社とリモートの「ハイブリッドワーク」が新しい働き方として脚光を浴びている。

オフィスと仕事のデジタル化による生産性向上へ

中長期的には、オフィスの機能と業務タスクをデジタルに移行させることで、場所や時間の制約なく、人材を存分に活かせる組織と働き方が可能になると亀津は考察し、以下の実例を示しました。

企業で進行中の取り組み

- オフィスワーカーとリモートワーカーのギャップを埋める高臨場感オフィス（例：Zoom とプロジェクションマッピング技術や、自動議事録作成機能などの組み合わせ）

- 共同作業・アイデア創出の場としてのメタバース（仮想空間）

- コールセンターのバーチャライゼーションによる働き方の多様化

「これまで、リモートワークは『報告型のミーティングや個人作業には有効であっても、新しいアイデアを生み出すディスカッションには不向き』と、しばしば指摘されてきました。しかし、上述の工夫次第で、従来の会議やプレゼンテーション、あるいは単純作業の場としてのリモートワーク環境が『イノベーティブなアイデアを創出するデジタルワークプレイス』へと進化します。オフィスの最適化が、柔軟な働き方による人材維持にもつながり、少子高齢化を見越した働き手の確保、多様な人材の活用など、社会課題の解決にも貢献すると期待されます」と、亀津は展望に触れました。

開催概要