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Microsoft Azure のはじめ方(契約編)
~ Azure の 契約形態、技術サポート、CSP、金融機関向け変更契約 ~
- 2021/07/06
こんにちは、NRIの畑と申します。今回は、Microsoft Azure の利用を始めたいとお考えの方に向けて、まず Azure の契約形態について解説いたします。
また、NRIが提供する CSP(Cloud Solution Provider)と呼ばれるプログラムについても、詳しく紹介したいと思います。
Microsoft Azure の契約形態
Azure を始めるにあたって、まず Microsoft 社との利用契約を結ぶ必要があります。様々な契約の種類が用意されており、個人や法人、利用規模、利用用途によって適したものを選択して契約していただきます。主な契約について下記に整理します。
Azure を個人規模で利用する場合は、MOSP(Microsoft Online Subscription Program)という契約になります。クレジットカードを登録すればすぐに利用可能ですし、初回であれば無料枠も付いてきます。まずは手っ取り早く Azure を触ってみたいという方向けです。
会社で本格的に Azure を利用したいという場合は、利用規模や利用期間、Microsoft 社との契約有無等によって、様々な契約形態が用意されています。例えば、すでに Microsoft 365(旧称:Office 365)をお使いで、Microsoft 社と EA 契約を締結していれば、EA 契約の下でAzure を利用することも可能ですし、EA 契約は無いが新規で Azure を本格利用したい場合は、オープンや SCE という契約が用意されています。
さらに、CSP パートナーが提供する魅力的な付加価値サービスとともに Azure を利用したいという場合は CSP 契約という選択もあります。CSP については、後半でさらに詳細を説明いたします。
一概にこの契約が良いというものではありませんので、Azure の利用を検討されている場合は、Microsoft 社の相談窓口を利用されるか、一緒にビジネスをしているパートナーがいらっしゃれば、そちらに相談すると良いと思います。もちろん、当社にお問い合わせいただければ、ご支援させていただきます。
※ オープン:Azure イン オープン プランの略称。
※ SCE:Server and Cloud Enrollment の略で、サーバーおよびクラウド加入契約のこと。
※ EA:Microsoft Enterprise Agreement の略で、単一の契約でクラウド サービスとソフトウェア ライセンスを柔軟に購入できるプログラム。
Microsoft Azure の技術サポートについて
Azure を始める際には、Azure の利用契約と併せて、技術サポートについても検討しておく必要があります。Microsoft 社が提供するサポートプランについては、下記の表の通りです。利用用途に適したプランを選択してください。
・Azure のサポート プランの比較 ※ 外部サイト(Microsoft Azure サイト)へ
Basic プランについては、課金やサブスクリプションに関する問い合わせは可能ですが、Azure サービスに対する仕様確認など技術的なサポートができない点にご注意ください。
実際に Azure 環境で様々なサービスを触りだすと、どうしても細かな仕様調査が必要になったり、想定通りに動作しなかったりします。その場合は、Developer プランの購入をオススメします。
さらに、Azure 環境上で業務サービスが本番稼働したり、その業務サービスが極めて重要なコアシステムである場合は、より手厚いサポートが必要になります。サポートプランは Standard, Professional Direct, Microsoft Unified Support とアップグレードすることができ、上位プランに進むにつれて、課題対応や緊急時対応のレベルが変わりますので、環境に適したサポートプランを選択してください。
CSP について
ここで、CSP(Cloud Solution Provider:クラウド ソリューション プロバイダー)について解説いたします。
CSP は、Microsoft の各種クラウドサービス(Azure, Microsoft 365 等)を、CSP パートナーとの利用契約の元で利用できるプログラムです。CSP パートナーは、ユーザーの Azure 環境を提供・管理すると共に、技術サポートや独自の付加価値サービスを提供します。
NRIは、CSP 1-Tier を取得しているため、Azure リセラーを介さず、Microsoft の各種クラウドサービスを直接お客様に提供することが可能です。
例として、NRI CSP をご利用される際の利用イメージについて説明いたします。
CSP で Azrue を利用する際、ユーザーは Micorsoft 社の基本的な契約条項(MCA, OST, SLA)に合意いただく必要がありますが、実際に Micorosoft 社と契約書を取り交わすことはありません。これらの条項は NRIとの利用契約の中で、NRIの付加価値サービス利用とあわせて合意いただく形になります。
■ MCA(Microsoft Customer Agreement:マイクロソフト顧客契約)
・Licensing Documents / Microsoft Customer Agreement ※ 外部サイト(Microsoft サイト)へ
※ 遷移先のページで、Geography(地域)、Language(言語)、Customer Type(顧客タイプ)を選択し、「Submit」ボタンを押すと、選択内容に応じた「マイクロソフト顧客契約」の Word 文書が表示されます。
■ OST(Online Services Terms:オンラインサービス条件)
■ SLA(Service-level agreements:サービス レベル アグリーメント)
Azure 環境は NRIより払い出されますが、その際に NRIの付加価値サービスも併せて申し込みいただいた場合は、付加価値サービスが付与された状態で、環境をお渡しすることも可能です。
また、Azure 利用料のご請求と技術サポートの提供も NRIから行われます。サービス内容や利用契約の詳細につきましては、NRI窓口までお問い合わせください。
- Azure CSP 契約スキーム 概要(NRI CSP をご利用される際の利用イメージ)
金融機関向け変更契約(FSA)とは
EA 契約や CSP 契約において、ユーザーが金融機関である場合は、Microsoft 社から「金融機関向け変更契約(FSA: Financial Services Amendment)」を付帯することが可能です。
こちらは、以前は「M248」と呼ばれていたものです。現在はアップデートされ「M511」と呼ばれることもあるようですが、正式には「金融機関向け変更契約」と呼称します。
本契約は、監査要求などの監督官庁が定める高いコンプライアンス要件に対し、Microsoft 社の対応を明確化したものになります。本契約により金融機関のお客様にも、安心して Azure を利用いただくことが可能となります。
「金融機関向け変更契約」につきましても、詳細を確認したい場合は、NRI窓口までお問い合わせください。
最後に ...
今回は「Azure のはじめ方」と題して、まず知っておくべき利用契約と技術サポート契約について解説いたしました。これから Azure を始めたいという方に向けて、少しでも参考になれば幸いです。
NRIでは、CSP および Azrue の付加価値サービスを各種提供しています。
「自社システムを Azure 上で稼働させたい」「Azure を活用して DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したい」といったご要望がございましたら、是非「atlax(アトラックス)」にお問い合わせください。Azure 活用の戦略策定から、技術課題、セキュリティ、統制管理など、様々な課題を解決しながら、お客様が目指す DX の実現をトータルでサポートいたします。
よろしくお願い致します。
NRIの Microsoft Azure における取り組み
野村総合研究所(NRI)は、マイクロソフトの Gold コンピテンシー パートナーとして、コンサルティング、システム開発・運用、アナリティクスといった幅広い分野で、お客様の課題解決に Microsoft Azure を活用し、DX の実現に取り組んでいます。
また NRIは、「Cloud Platform」 「Application Integration」 「Application Development」 「DevOps」 「Data Analytics」のそれぞれの専門分野における技術力で、マイクロソフトにおける複数の Gold コンピテンシーを取得しています。
・atlax / クラウドの取り組み / Microsoft Azure ※カテゴリーTOPページ
・atlax ブログ / Microsoft Azure のはじめ方(導入編-1) - クラウド導入フレームワーク(CAF)前編 「CAF の概要」「クラウド活用推進組織(CCoE)の立ち上げ」-
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